歯質強化処置

歯質強化処置

歯質強化処置をご存知ですか?歯質強化処置とは、歯科医院で行う特別な虫歯予防処置のことを言います。広い意味では虫歯になりにくい歯の獲得のために、最先端の 技術を用いて加工を加えて行く処置になります。現在当院で行なっている歯質強化処置には2種類ございます。 一つ目は従来から行われているフッ化物イオン導入法で、もう一つは 2019年より新たに取り入れた、レーザー歯質強化処置になります。




歯質処置が可能になるメカニズムを説明いたしましょう。

人間の歯は、ご自身の体と同じように絶えず汗をかいています。正確には歯の内側から外側に向けて、滲出液というものが流れ出ております。この浸出液は、歯の内側を走る血管から、栄養が歯に運ばれる際に、その水分の一部が外へ流れ出ている ものと考えられております。この浸出液の作用は、お口の中の歯の周りにいる、虫歯や歯周病の細菌が、歯の内側に染み込んできて中で虫歯や病変を(歯周病の菌歯周病菌の場合は 歯髄の壊死、虫歯菌の場合は内部で虫歯)を作ってしまうのを防ぐ働きがあります。ちょうど中から外へと汚れを洗い流すことによって感染を防いでいるのですね。この浸出液も最近の研究では止まってしまったり、また歯の外から中へ逆流してしまうことがあるとわかりました。虫歯の菌を歯の内側に吸い込んでしまったらどうなると思いますか?外側は綺麗な歯でも、レントゲンを撮ったら中が虫歯で真っ黒け。なんてことも臨床を行っていると珍しくありません。この浸出液の逆流は、私たちの好ましくない生活習慣に起因しているということがわかりました。極端に熱い食べ物、冷たい食べ物、甘い食べ物を食べた後の血糖値の急上昇。また、精神的肉体的に強いストレスを受けた場合、など生理的ではない状態の時に 起こるということがわかりました。なので 究極的には虫歯予防は生活習慣を改善させる全身歯科的なアプローチが必要になります。ただ、そこまでのアプローチが無理という方でも、お口の中の細菌を染み込みにくい歯にすることは可能です。フッ化物イオン導入法では歯に電気的なストレスをかけることにより、この滲出液の逆流現象を利用して、歯質の耐酸性をあげる能力のあるフッ化物イオン及び オーラループ等を歯に積極的に取り込ませる方法になります。

通常のフッ化物塗布の 6倍の深度で取り込まれるため、耐酸性は長い方では数ヶ月間、獲得することができます。フッ化物イオン導入用の特殊トレイというものを使用いたしますので、トレイの代金に関しては患者様自己負担となります。

またこれとは別に、レーザー歯質強化と言う耐酸性を上げる方法もあります。レーザー歯質強化は、歯の表面にあるエナメル質ハイドロキシアパタイトの結晶構造を人工的に完全体に近づける加工になります。元来、歯のハイドロキシアパタイトは科学的に不完全な状態で存在しています。ハイドロキシアパタイトの完全結晶では、たとえ金槌で叩いたとしても、その結晶が砕けてしまうことは稀です。これほど強度が高い成分であれば虫歯になどなるはずはないのですが、歯の表面にあるハイドロキシアパタイトは H2O成分が結晶の内部に不純物の形で多く存在しているため、完全結晶体ではありません。 ストリークレーザーと言う特殊なレーザーを利用することにより、歯の表面のアパタイトから不純物である水分だけを蒸発させ、ハイドロキシアパタイトを完全体に 近づける加工をします。この処置の場合、長い方であれば通常の食生活では一年半ほど虫歯になりにくい耐酸性を歯に与えることが可能になります。

当院では、歯をできるだけ削らない処置を4+1(フォープラスワン)の一つの柱と考えております。 ご興味のある方 ぜひご来院ください。


当院では、除菌システムを完備し「細菌数ゼロ」の歯科治療水で治療を行なっています。
定期的な第三者検査機関の細菌検査など、日々詳細な規則を順守し水質管理に努めています。
さらに、その治療水の残留塩素濃度(消毒効果)を常に10ppm以上に保ち、除菌しながら治療を同時に行なえる歯科治療を実施しています。(国の水道水基準値は0.1ppm以上)
詳細は、以下のページをご確認ください。
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