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0510月/18

歯周病と糖尿病の深い関係

 

 

 歯周病は成人が歯を失う最も多い原因です。

日本の40歳以上では半数以上に認められ、患者の割合は年齢とともに増加します。

また、歯周病は糖尿病と相互に悪い影響を及ぼします。

糖尿病をお持ちの方では歯周病が悪化しやすく、歯周病があると糖尿病の血糖コントロールが難しくなることがわかっています。

そして最近の研究では、歯周病の治療をきちんと行うと血糖値が改善するということもわかっています。

 

歯周病はプラークが原因

歯周病の原因は歯の表面に付着している「プラーク」、いわゆる磨き残しの歯垢です。

プラークは歯の表面に細菌が被膜を形成しバリアとなっており、「バイオフィルム」とも呼ばれます。

このバイオフィルムは薬物の浸透を防ぐため、水や洗口剤などで口をすすぐだけでは除去できません。

しかし、適切な歯磨きで取り除けるため、歯磨きが最も大切になります。

 

 

 

糖尿病→歯周病、歯周病→糖尿病、の流れをそれぞれまとめました。

 

糖尿病→歯周病 の流れ

➊糖尿病である

❷糖尿病になると、血液が高血糖になる

❸高血糖になると、唾液の分泌量が減る

❹唾液の分泌量が減ると、口の中が乾く

❺口の中が乾くと、白血球の機能が低下する

❻白血球の機能が低下すると、歯周病菌増殖する。

❼歯周病になる。

以下の流れにより、糖尿病の方の歯周病リスクはたかまります。

この時に、お口のケア怠り、口の中が不潔な状態になると、いとも簡単に歯肉炎になり歯周病へと発展します。

また、治療をせずに放置すると重篤な歯周病にもなりやすいのです。

 

 

歯周病→糖尿病 の流れ

➊歯周病である

❷歯周病になると、炎症性物質(TNFα)が多量に作られる

❸炎症性物質が増えると、インスリン(血糖値を安定させるホルモン)の働きが抑制される

❹インスリンの働きが弱まると血糖コントロールが悪化」する。

❺血糖コントロールが悪化すると、高血糖状態になる

❻糖尿病になる

 

以上の流れにより、慢性疾患である歯周病が高血糖状態に発展します。

逆に、同じ要領の流れによって、歯周病の治療を行うと、血糖コントロールが改善され、

血糖値が改善されることも知られています。

 

 

糖尿病の予備知識

糖尿病には、1型と2型があります。

★1型糖尿病とは

インスリン(血糖値を安定させるホルモン)が先天的に分泌されない場合に起こります。

お口のケアを徹底して、歯周病のリスクを減らしていきましょう。

 

★2型糖尿病とは

生活習慣によりインスリンの作用を弱めてしまい、血糖コントロールが難しくなり、高血糖になります。

主に肥満によって脂肪細胞からインスリンを邪魔する物質が分泌されます。

お口のケアはもちろんのこと、生活習慣の改善から取り組み、歯周病のリスクを軽減させましょう。

 

肥満→糖尿病→歯周病 の流れ

ここまでご説明した流れをまとめると、肥満から歯周病への流れも浮き彫りになります。

肥満は万病のもとと言われるところにあるかもしれません。

 

➊肥満である

❷脂肪細胞から血糖値を安定させるホルモン(インスリン)を邪魔する物質が分泌される

❸インスリンの作用が弱まると、血糖コントロールが難しくなる

❹血糖コントロールが難しくなると、高血糖になる

❺高血糖になると、唾液の分泌量が減る

❻唾液の分泌量が減ると、口の中が乾く

❼口の中が乾くと、白血球の機能が低下する

➑白血球の機能が低下すると、歯周病菌が増殖する

❾歯周病になる

 

 

 

まとめ

このように、歯周病と糖尿病には密接な関係があります。

事実、2型糖尿病と重度の歯周病を併発している人が、歯周病を治療したことによって、血糖値が改善されています。

歯周病も糖尿病も、ともに生活習慣病です。命に関わる大きな病気であり、多くの人がリスクを抱えています。

それぞれの病気の要因や関係性を知り、事前の予防を心がけましょう。