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067月/18

アマルガム充填 はどうなんだ? 水銀

最近の患者様は、健康志向の高まりからいろいろご自身で勉強していらっしゃる方が多くなってきています。以前から自分自身も気になっていたことだったので、数年前、妻の妊娠を機に過去の文献を調べなおしてみました。

アマルガム 全身の健康を蝕む水銀(マークA ブレイナ著)

アマルガム合金はその重量の半分以上を水銀で占めている。そのほかにスズ、銀も多く含む。

この文献はアメリカで発表されたものですが、日本ではあまり研究がされていないのか見つけることができませんでした。なので直ちに日本人に当てはまるというわけではありません。また、日本のアマルガム合金と組成が異なっている場合もございます。あくまで参考程度にとどめておいていただきたいと思います。

水銀毒の科学的見解を以下に示す

1 この水銀蒸気は人体に吸い込まれ、飲み込まれている

2 充填剤からの水銀は、それから全身に回り非常に長期間とどまる

3 死体解剖検査では脳組織中の水銀の量と口の中のアマルガム充填の量に相関関係が認められる

4 水銀は胎盤を通過し、胎児に移行する

奥歯一本のアマルガム治療には以前のガラス式体温計を同じ量の水銀(毒)が含まれている。

水銀は蒸気となり心臓にたまりそこから全身循環系を汚染してゆく。(脳→下垂体→甲状腺→副腎)

また、水銀は脳の神経細胞を変性、破壊し脳にアミロイド班を作り、アルツハイマーを助長する。

水銀毒(低レベル重金属蓄積)による全身の健康障害を以下に記す

慢性疲労 線維筋痛症 アレルギー 高血圧症 自己免疫疾患 

人体に水銀があると腸内の微生物層の正常バランスが崩れ、カンジダアルビカンスが異常増殖する。

 

実際、掌蹠嚢胞などは金属アレルギーの一種として考えられており、その治療法の1つにアマルガムや歯科金属をはずす(アレルゲンをなくす)ものもあります。

理工学の教科書を読むと、アマルガムの組成は銀35%、錫9%、少量の亜鉛、そして50パーセントの水銀とされています。

アマルガムは充填直後からガス化した水銀を蒸散させることで徐々に硬化してゆくため、研磨(磨きなおし)はおおむね48時間後程度たってからが良いとされている。つまり、それまではまだ柔らかい化合物ということになる。

その間の飲食中にはやわらかいアマルガムの部分的脱離等が起こっているものと考えられ、ガス化したアマルガムと粉末のアマルガムの2重の汚染を体験することになる。

歯科用アマルガムが体内の水銀蓄積に関係しているという報告は海外では多く存在しています。溶けだした水銀化合物が体内に入ると、体内のタンパク質と結合し、過剰反応を起こすことが知られています。体内に一定量以上水銀が取り込まれてしまい、症状を発生してしまったものを水銀中毒と呼びます。

歯科用アマルガムは無機水銀を使用しているので、起こるとすれば、腎臓や消化管に対する障害が主で、腹痛や吐き気、下痢、腎機能障害による気分不快感やだるさなどが考えられます。

水銀中毒の中で一番多い症状が慢性疲労といわれています。

これは血液中のヘモグロビンに水銀が付着すると、本来酸素を運搬する赤血球が酸素を運ぶことができなくなるから(赤血球中のヘモグロビンに酸素ではなく、水銀が結合することで、酸素を運搬する能力が著しく低下する)と考えられています。

しかも赤血球やヘモグロビン自体の量が変わるわけではないので、通常の血液検査では異常を発見しずらい(酸素運搬能という性能の劣化のため)のが問題です。

当院では現在、ご本人様に説明をして同意を得られた場合はアマルガムを除去し、別の修復方法での修復を行っています。注意書きに、素手で触ってはいけない、操作中はガスを吸い込まないようにマスクを推奨する、環境中に不用意に放出してはいけないと書いてある物質だといえば良識のある方なら口の中に使ってよいものかどうかはわかるはずだと思われます。

ただ、必ずしもアマルガムを外したから、すぐに不調が治ったり健康になるというものではないということを付け加えておきます。それは、体には発症するまでに予備量というプールがあり、それがいっぱいになりこぼれたときにはじめて症状としてあらわれるという特性があります。そして、一度予備量を超えてしまった物は予備量以下になったとしてもなかなか症状はなくならない(これがなかなか厄介)という性質があります。

自分のところでは発症してしまった患者様に対してのアプローチについてはできていないというのが本当のところです。なので症状はないけれど、体にとって「ん?」というような材料を放置するリスクを考えて、ご心配な方はご相談いただければ幸いと思います。