ばねの見えない装着感の良い入れ歯 クーゲルホック 

歯を失って部分入れ歯をおつくりになる場合、奥歯の小さな範囲でしたら金属のばねを使う入れ歯でもあまり問題になることはないのですが、けっこう気にされるのが、部分入れ歯の銀色のばねが見えるかどうかということです。 新規に入れ歯を作ることになった患者様からどのような点が不安ですかとお尋ねすると、一番が「友達に入れ歯を入れているって知られたくない」「一気に年を取って見えてしまいそう」など、審美面での不安が多いことに気づかされます。

我々歯科医師はいわば職人みたいなところもあるので、大学の頃から「どうやったら固いものがストレスなく噛める入れ歯ができるか」「患者様がお使いになったとき、いかに痛みが出ない入れ歯を作るか」などを一番に考えがちになります。またそのような技術を日々切磋琢磨しています。なので、つい「ばねが見えなくても、使い物にならない入れ歯を作っても仕方ないんじゃないのか」なんて考えてしまいがちになります。

自分の医院にいらっしゃる方でも、「この入れ歯、ほかの歯科で作ったのだけど、痛くて噛めなくて」といわれる入れ歯のほとんどが、見た目重視で、力がかかった時のことを考慮していないいわば、「お出かけデンチャー」です。たしかにノンクラスプデンチャーというものも存在してますし、当医院でも取り扱っていますが、適応症を考えずに行えば「ただの噛めない入れ歯」になります。

どうにかならないかなと思いながら臨床をかさねていましたところ、去年、山八歯科工業から「クーゲルホック」というアタッチメントが発売されました。 アタッチメントとは、入れ歯と歯を強固につなぐ装置という意味です。

このアタッチメントの優れていることろは、今現在使用している入れ歯にもほんの少しの加工で取り付けられることが多い(取り付けられない場合もございます)。

アタッチメントは歯科の歴史上数十年の歴史のある素晴らしい装置なのですが、今まで存在していたアタッチメントのそのほとんどが、加工が難しく入れ歯を新規に作り直す必要がありました。また土台の歯にもまた精密な装置を取り付ける必要がある(これが結構高価になるケースが多く、入れ歯とアタッチメントの治療一式で、国産中型車1台分ぐらいの治療費になることも珍しくない)ため、治療が長期化し、患者様に負担になるケースが多くございました。

当院で昨年より取り扱いを始めたクーゲルホックは、1装置あたり数万円で収まる

(土台となる歯に取り付け、入れ歯との連結を期待する装置のため、土台となる歯が無い症例では適応外となります、また入れ歯を同時にお作りする場合は入れ歯の代金が別途必要になります)のに、装着感が良く、適合もよいため、多くの患者様に喜ばれております。

(症例によっては装置を数個使う場合もございます、その場合は装置の個数分の費用が発生いたします)